欧米諸国ではどんな事柄でも個人主義、一人ひとりの独立と自由が危険にさらされると、色々な方法で対抗することが多いように思います。アメリカ・ミシシッピ州のモットー「我ら神を信ず」が、信教の自由を侵害しているとして「悪魔寺院」が訴訟を検討しているそうです。

現在、アメリカではありとあらゆる差別への反対デモの嵐が吹き荒れています。発端は警察官による黒人への暴行事件であったため、特に人種差別的なありとあらゆるシンボルの使用が取りやめられています。

アメリカ南北戦争における南軍旗もそうしたシンボルのうちのひとつ。南軍旗は他にも色々と問題をはらんだシンボルではあるのですが、南北戦争当時の南軍、アメリカ連合国は奴隷制の存続を主張しており、特に人種差別色が強いものです。

ミシシッピ州の州旗には南軍旗の意匠が入っており、今回の差別反対運動の盛り上がりを受け、ミシシッピ州知事は現行の州旗を変更する法案を承認しました。

さて、問題はこの法案の中身。2020年11月に新しいデザインを完成させることになっているのですが、制作にあたっては「In God We Trust.(我ら神を信ず)」を入れることが決められました。

この標語はアメリカ合衆国の標語であり、いくつかの州では州旗やナンバープレートにも使用されているものですが、以前から「信教の自由を侵すものではないか」という批判もありました。

そして、個人主義、ひとりひとりの選択の自由が侵されそうになると、特に敏感に反応するのがアメリカ人。「悪魔寺院(The Satanic Temple )」がこの州旗のデザインに反対を訴えでたのです。

「悪魔寺院」はよく似た名前のカルト宗教「サタン教会」とよく間違えられるのですが、いわゆる反キリストの悪魔崇拝教団とかではなく、どちらかといえば人権団体に近い性質の組織。

「すべての人に善意と共感をもたらし、独裁的権威を排除し、常識を養護し、不正義に対抗する」という割と平和な内容をモットーとしていますが、今回の州旗変更については「使われているシンボルが人種差別から、信仰の自由の制限に変わっただけで、差別的であることに変わりはない」として、このままデザインが変わらなければ訴訟も辞さないとしています。

まあ半分はジョークというかパフォーマンスでしょうが、アメリカでの反対運動はこうしたイタズラ的なスタイルのものが多くみられます。自分たちのアピールをする一方、差別主義者を笑いのネタとして消費できて一石二鳥というわけです。
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ソース:Satanic Temple plans to sue Mississippi if state puts ‘In God We Trust’ on flag | TheHill